屋外稼働が可能なAGV(自動搬送機)3選
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近年、効率的な物流システムの重要性が増しています。AGV(自動搬送車)への関心も高まっています。屋外の環境でも使える高性能なAGVが開発されています。AGVは、主に磁気テープやGPSを使って動きます。複雑な動きができる自律型や追従型もあります。技術の進歩を象徴するものと言えるでしょう。
各メーカーは、独自の特徴を持つAGVを作っています。屋内で働けるAGVには、さまざまな種類があり、普及が進んでいますが、屋外に対応できるAGVはまだまだ種類も増えていないのが現状です。
AGVは搬送だけでなく、工場や倉庫全体の生産性を大きく向上させることが可能なため、適切なAGVを選ぶことで、成功につながるのです。
このコラムでは、主に屋外対応のAGVにフォーカスをしてご紹介をしていきます。
屋外対応のAGVとは?
屋外対応のAGVは、溝や段差、坂といった路面環境、そして雨や風の影響を受ける天候環境が厳しい屋外でも使える耐久性の高い搬送ロボットです。自動運転の機能により、センサーや制御システムを使って無人での走行が可能です。この技術は、作業の安全と効率を向上させます。
AGV(無人搬送車)の基本機能
- 自動運転|センサーによる障害物の検知で、安全な搬送ができます。
- 経路誘導|磁気テープやGPS、デジタル地図などを使い、目的地に辿り着くルートを指定、または変更します。
AGVを選定する際の屋外対応の重要性
屋外でのAGVは建屋間の貨物移動を自動化します。人手をあまり使わなくても良いようにします。屋外では、自律的に動ける力や、環境の変化に強いことが大切です。
機能 | 屋内対応 | 屋外対応 |
耐候性 | 必要に応じて対応 | 高耐候性が求められる |
誘導方式 | 磁気テープ、RFIDなど | GPS、レーザー、カメラなど |
移動ルート | 比較的変更が容易 | レイアウト変更に柔軟に対応 |
通信システム | Wi-Fiなど一般的な通信手段 | 屋外環境向けに強化された通信手段 |
AGVの種類と選び方
工場での物流作業を効率化することは大事です。運搬作業は人にとって時間も労力もかかります。種類の多い自動運転機能を持つAGV(自動搬送車)が注目されています。これにより、保管状態管理の正確さやピッキングミスの低減が期待できます。メーカーのカタログを見て、導入する環境に適合した適切な製品を選択しましょう。
無人の工場搬送に必須なAGVのセンサー
AGVには積載型や低床型、けん引型の種類があります。各々異なる機能を持っています。光学誘導や磁気誘導、画像認識などのセンサーを使うことで、正確な動作が保証されます。
自動運転機能を持つAGVとは
自動運転により、AGVは定められたルートで自動的に物を運びます。リコーのAGVモデルのように、90度や180度のターンが可能なAGVもあります。狭い場所でもスムーズに運べます。事業規模や必要機能に応じて製品を選択することが大切です。
参考:https://industry.ricoh.com/agv
AGVのタイプ | 搬送物の特性 | 使用環境 | 走行方式 | カスタマイズ性 |
積載型 | 重量物、大量の物品 | 工場内、倉庫 | 磁気誘導方式 | ○ |
低床型 | 低い位置の荷受けに適合 | 狭いスペース | 光学誘導方式 | ○ |
けん引型 | 小物品の集中運転 | 平坦な路面 | 画像認識方式 | ○ |
AGVの導入により、物流作業が自動化・効率化されます。これは作業者の負担軽減だけでなく、人件費の削減や省人化、ミスの減少にも繋がります。したがって、DX化を進める工場にとって、AGVのシステムは非常に価値があります。
屋外対応のAGVメーカー3選
現代の製造業は効率化と自動化の実現が最重要課題といえます。特に屋外に対応した無人搬送車(AGV)は製造現場での運用に適しています。そのため、メーカーの製品ごとの特徴をよく比較することが大事です。ここでは、屋外に対応したAGVを3つ紹介します。
製品 | メーカー | 主要機能 | 稼働状況 |
CarryBee | 愛知機械テクノシステム | 屋内外多機能、最大500kg搬送 | 多拠点での安定稼働 |
HRG-E1000 | 株式会社ヘッズ | 最大100台統合制御、積載・牽引 | 集中管理による効率化 |
eve auto | 株式会社eve autonomy | 国際基準準拠の無人搬送車 | 40拠点以上、70台以上稼働※2024年12月時点 |
CarryBee(キャリビー)|愛知機械テクノシステム株式会社
愛知機械テクノシステムのCarryBeeは屋内外で使えます。このAGVは最大500kgまで運べます。また、入力データに基づき最適なルートを選び、障害物を避けて安全に目的地まで荷物を運びます。
HRG-E1000|株式会社ヘッズ
株式会社ヘッズのHRG-E1000は牽引と積載の両方ができます。100台のAGVを集中管理し、大規模製造施設でも効率的に動かすことができます。これにより、複数のAGVが協力して作業することができるのです。
eve auto|株式会社eve autonomy
株式会社eve autonomyのeve autoはヤマハ発動機とティアフォーの合弁会社です。2020年設立で、高品質な無人搬送車を提供しています。2022年11月のローンチ以来、40以上の拠点で70台以上のAGVが活躍しています。
■業界別AGV活用事例
物流業界や製造業界でAGV(無人搬送車)が使われています。これらは作業効率を上げ、安全性を確保して、コストの改善にもつながります。屋外でも使えるAGVは、様々な環境に対応できるように進化しています。
AGVには多くのセンサーや自動運転技術が搭載されています。これにより、工程の自動化が可能になり、正確な作業ができるようになりました。生産工場では、素材から完成品までの搬送がAGVによって自動化されています。これは労働者の負担を軽減し、生産性を上げるのに役立っています。
最新のAGVはカスタマイズが効くのが特徴です。eve autoのAGVは先進のセンサ技術で自動運転が可能で、eve autoのような製品が2023年の国際ロボット展(iREX2023)で注目されました。これらは自動運転レベル4を実現し、屋外で24時間働けます。現在、自動化の需要は高まっており、AGVは業界の要望に応えて進化しています。これにより、効率化と現場のDXを推進しています。
屋外用AGVを選ぶ時、導入環境や使う場所のことをよく検討する必要があります。屋内、屋外どちらに強みを持つAGVなのか?メーカーの情報や搭載できる貨物の重さを比較することが大事です。
参照リンク
- https://media.plus-automation.com/column/raas_09-1-0
- https://autoc-one.jp/news/5022857/
- https://www.ricoh.co.jp/service/digital-manufacturing/media/article/detail08
- https://www.ehime-np.co.jp/article/prtimes_story2950
- https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00134/120200346/
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000043289.html
- https://kikainews.com/agvjidokajirei/
- https://eveautonomy.com/news/2023/20231030/666